民法等で、私が苦労したことと対処法②

ここでは、民法等で特に理解に苦労した、ほぼ必出の3つの項目について述べます:

(1)物権変動と登記と取消・解除との関係(第三者の出現時期)

物権の発生・変更・消滅が物権変動ですが、これは当事者間では意思表示だけでその効力が発生するものの、第三者との関係では登記をしなければ対抗(主張)できません。

・毎回出題されるのが、物権変動と取消(詐欺・脅迫)・解除との関係において、表意者と第三者との関係が、第三者の出現時期(利害関係を持つに至った時期)によって変わってくる点です:

場合分けをして覚えましょう】
・第三者の出現時期が取消前
・・詐欺では善意の第三者のみ保護され(悪意の第三者は本人にも責任あり)、脅迫では常に表意者が(回復者)が保護されます(悪意でもかわいそう)。
・第三者の出現時期が取消後
・・詐欺・脅迫とも先に登記した者が保護されます(単なる対抗関係に過ぎない)

・第三者の出現時期が解除前
・・第三者は善意悪意関係なく保護されます(ただし登記必要)
←解除は一旦有効に成立した契約の効力を遡って消滅させますが、当事者相手には回復義務を負うとともに、第三者の権利も害することができないからです
・第三者の出現時期が解除後
・・先に登記した者が保護されます(単なる対抗関係に過ぎない)

(2)抵当権と賃借権

抵当権も頻出です。

例えば、抵当権付きの物件を購入した買主が、その抵当権を消すための手段がいくつかあります(でなきゃ買わないですよね)。
昔は「滌除」なる裏技?があり、ナニワ金融道においても、「短期賃借権」とともに、買主・借主の立場を強力に保護していましたが、今は、下記の2つが主たる手段となります:

抵当権消滅請求
第三取得者(第三者ではない)は、抵当権者に抵当権消滅請求ができます。
抵当権者は、拒絶する場合(書面送付2か月以内に)、競売を申し立てなければならず、申し立てなければ請求を承諾したことになります。
代価弁済
抵当権者の請求に応じて、売主に支払うべき代価を抵当権者に支払えば(肩代わりすれば)抵当権は消滅します。

しかし、抵当権の実行で、抵当権設定時に存在した土地上に建物と土地の所有者が別の者となってしまった場合には、他の成立要件とともに、「法定地上権」の話が登場することになります。

あと、抵当権と賃借権との関係も重要です。

抵当権設定後に、賃借権が設定され、その対抗要件を取得(引渡しまた賃借権登記)した場合であっても、抵当権が実行されると、賃借権者は原則として先に登記した抵当権者には対抗できません。

しかし、「引渡猶予制度」で6か月、退去を猶予されたり、「抵当権者の同意制度」により、同意した抵当権者に対して対抗力を取得することができます。

(3)借地借家法(借地/借家)

借地借家法は、最重要項目のひとつです。

まず、対抗要件です:
・借地権(建物所有を目的とした地上権または土地賃借権)
借地権の登記または借地上の建物の登記
・借家権
借家権の登記または建物の引渡し

借地権の譲渡・転貸(又貸し)では、
・借地権が地上権(物権)でなく賃借権(債権)である場合は、譲渡や転貸には借地権設定者の承諾が必要です。
・借地権設定者に不利となるおそれがないのに承諾が得られない場合には、裁判所に「地主の承諾に変わる許可」を申し立てることもできます。

借家権の譲渡・借家の転貸では、
・借家権の譲渡があると、譲受人が新賃借人になりますが、賃貸人の承諾が必要です。
・賃貸人の承諾がない無断譲渡・無断転貸は、そのまま借家契約の解除理由となります(裁判所への申し立て手続きはありません)。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする