早期退職の「掟」

今振り返っても正しかった

本人も家族もハッピーな早期退職になるために、少なくとも、意に反した不幸な早期退職にはならないようにするために、早期退職者が、絶対に守るべき「掟」があると考えます。

以下は、退職前から自分なりに決めていたことですが、そのときの判断は、退職後の今になって、改めて正しかったと感じています。

その1:「事後報告」でなく「事前相談」

その対象者はもちろん配偶者です。

配偶者には、自分の中ではたとえすでに固い決意をしていても、早期退職を会社に申し出る「前」に、意を決して「相談」をしましょう。

くれぐれも、「事後報告」にしてはいけません(感情問題に置き換わって、その先の離婚に結びつく可能性があります)。

安定収入の道を捨て、60歳の定年を待たずになぜ今辞めるのか、そして辞めてからどうするどうしたいのか、胸襟を開いて、思いの丈を正直に伝えなければなりません。

良いことも悪いことも、考えうるこれからの全てのリスクも含め、そしてそれらに対する自分なりの具体的な対策も提示しながら、相手が抱くだろうあらゆる不安を、可能な限り払拭できるように話しましょう。

もちろん、何よりも経済的な裏付け、今後のプランニングは必須です。

私は、それまで自分の裁量で運用していたお金(へそくり)まで、一覧にして開示し、早期退職によって失うだろう収入の補填策を自分なりに考えてプレゼンしました。

もちろん、全ての不安を解消することはできないと思います。

それでも、課題を共有してもらうだけでも全然違いますし、期待は禁物ですが、もしかしたら、その解決に手を貸してくれるかも知れません。

図らずも、その時のリアクションで、今後の残り人生を互いに共有していけるのか、さえも確認できることもあり、その結果、早期退職を超えた「別の選択肢」まで生じるかも知れません。

正に、サラリーマン時代に鍛えた「プレゼン技術」が、真価を発揮する場面です。

PowerPointを使ってビジュアルに訴えるのも手ですが、会社組織と違って、出来過ぎたパワポは、却って不信を招く危険性があります。

私は、退職前、自分自身の今後のシミュレーション用として、ExcelPowerPointを活用しました。
今それを見ると、すでに現実と大きく乖離していますが、当時の自分の考えや計画を、後から検証したり見直すことができるので、真剣に作成しておくことを強くお勧めします。

ちなみに、古い価値観(学歴と企業勤め上げ信仰)の親には、早期退職の話は一切しませんでした。

不要なトラブルを避けたかったからですが、その嘘は「方便」として最後まで貫かねばならないため、今も、親に対しては元の企業勤めの体で振舞っています。
このとき、子供との口裏合わせが特に大切ですので、くれぐれもお忘れなく。

その2:早期退職後の昼間、家に居ない

実は、これが最も守るべき退職後のルールかも知れません。

たとえ自分の稼ぎで買った家であっても、昼間の自宅は(専業)主婦の城だからです。

本来の定年後なら、それに向かって心の準備もしていたでしょうが、早期退職で想定外の前倒しをされるのは、話が違うと思っているかも知れません。

私も内心、何でそこまで気を遣わないといけないのか、と思う節も当時はありましたが、今となっては、自宅では難しい「自分自身のオン・オフ」切り替えのためにも、外に居場所を確保して、平日は午前中から家を出て行くことが大切だと痛感しています。

それが、夫婦双方にとっての、精神衛生上のベストチョイスなのです。

私の場合、色々試行錯誤した後、片道1時間の大阪市内のとある駅前に、リーズナブルな平日昼間契約でレンタルオフィスを借り、依頼のあった仕事量に合わせて通っています。

仕事がないときも、原則、午前中のうちに当たり前のように出て行き、サラリーマンの勤務時間のこの時とばかり、街をぶらついたり、立ち飲み屋とかで一杯やりながら、将来の本当の老後暮らしのシミュレーションをしたりしています。

家内の不在時には、1日中、在宅することもありますが、自宅にも、文字通り小さな自分専用のスモールオフィスをこしらえて、くれぐれも居場所が重ならないよう、常に心掛けています。

その3:規則正しく生活する

サラリーマン時代は、どんなに気が向かなくても、体が重たくても、平日の朝になれば、条件反射のごとく寝床から出て着替えて駅まで歩いて行って、満員電車に揺られながら、毎日職場に通いました。

精神的にはともかく、肉体的にはこれだけでも、結構、カロリーを燃焼し、足腰を鍛えていることになります。

それが、例えば、パソコンとネットだけで仕事ができるような在宅フリーランスになって、通勤のルーチンが完璧になくなると、いきなり一日の運動量が低下します。

最初の頃は、家に居る「罪悪感」からか、本能的に外へ出て行こうとするのですが、しばらくして、平日昼間に忙しく働く仲間のお誘いもなくなると、次第に、出て行くこと自体が億劫になったりしてきます。

そのうち、一日中家族以外には誰とも会話しない、寡黙孤独な日々が、だんだん日常の多くを占めてきて、ある日、その状況に愕然とします。

まさしく、肉体的も、精神的にも、不活発で不健康な状態になってしまいます。
寝酒が日課の「深夜型生活」が常となり、毎朝の起床も遅りがちなら、いよいよ、残念な「引きこもり」状態になってしまいます。

くれぐれも規則正しい生活をしましょう。

(1)少なくとも、毎朝、朝陽を浴びて起床しましょう。

朝日を浴びると、体の中の何かのスイッチが入って、少なくとも肉体は動き出します。
夜型生活や「引きこもり」にならないよう、特に、朝のこの習慣が大切です。

(2)午前中から家を出て、少しの距離や階差は、できるだけ歩いて移動しましょう。

早期退職後の健康管理は、全て自分自身で行う必要があります。
特別なことはしなくても、カロリーを燃やして、筋肉も落とさない日常生活とするためにも、「歩く」ことを励行しましょう。

(3)それを強制する環境作りのためにも、毎日通えるような仕事場・居場所を、外に作りましょう。

いくらかの出費が発生するかも知れませんが、「毎日の居場所」を確保しましょう。
社会の中に身を置いている実感を得られますし、見知らぬ人とも出会って会話する機会も増えて、日々の「孤独」や「疎外感」も希釈できます。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする