退職直前と退職直後の手続き

退職直前・直後は、限られた期間内に完了すべき手続きが目白押しです:

退職直前の手続き>

会社の人事的な手続や、仕事の引き継ぎはもちろんですが、それ以外に、今後の生活に関わる下記の手続きを、退職までに、滞りなく済ませましょう:

(1)在職者対象の福利厚生に対する手続き

一般的に、団体生命保険や医療保険等、当該企業の在職者対象の福利厚生制度には、退職後もOBとして継続できるものと、退職時には契約が自動的に終了してしまうものがあります。

契約が終了する場合でも、代替商品等が用意されていることもあるので、退職を機に、今後のライフプランに基づき、自身の保険等をすべて見直し、退職後に本当に必要な商品のみについて、継続または乗り換えたり、あるいは、自分で市販の商品を新規契約する必要があります。

生命保険や医療保険では、自分で他社の商品を新規契約すると、新たに健康状態の告知義務が生じたりするので、今の保険商品が退職後も継続可能ならば、そのまま継続するのが賢明です。

また、会社や組合から借金(住宅ローン借入など)をしている場合には、完済を求められるのが一般的なので、それを見据えたキャッシュフローを考えておく必要があります。

(2)年末調整(年末退職の場合)

年末を含む退職の場合は、きっちり最後の年末調整をしてもらいましょう。

退職日を含む1年に、子供などの国民年金保険料の前払いをしている場合は、証明書類を会社に提出して、年末調整してもらうことで、退職後に自分で確定申告する手間が省けます。

退職金は分離課税・源泉徴収され、そこで課税関係が終了するので、通常、確定申告は必要とならないため、確定申告しないで済むのなら、それに越したことはありません。

(3)給与天引き保険商品等の振込先変更

毎月の給与から生命保険等が天引きされている場合は、その手続きができなくなるため、個別に支払いや振込み手続きが必要です。

このとき、保険金の支払いをこれまでの毎月払いから、年払いや残期間の一括全額払い等に変更することで、総支払い額を減らすことができる場合があるので、支払い方法も同時に検討してみましょう。

退職直後の手続き>

退職直前だけでなく、退職直後も引き続き忙しいです。

会社から「離職票」が郵送されてくるのに2〜3週間はかかるので、退職日の翌日から海外に飛び出すのも可能ですが、自分と家族の生活上の安全を担保しておくために、少なくとも健康保険と国民年金の手続きだけは、さっさと済ませておきましょう。

(1)健康保険の切り替え(再就職しない場合)

早期退職者の健康保険には、2つの選択肢があります。

どちらも健康保険料は前年の所得に応じて計算されるので、高くなることはあっても、安くなることは期待できません。
任意継続被保険者制度では、会社負担(通常折半)がなくなりますし、国民健康保険では被扶養者の概念がないため、家族全員分の保険料が必要となります。

あらかじめ自治体のHPで保険料の試算などして、どちらかを選択することになります(私は、被扶養者3名の家族構成を考え、任意継続を選びました)。

① 任意継続被保険者制度

退職した会社の健康保険組合の任意継続被保険者(およびその被扶養者)となる場合は、退職前に手続きが必要です。
被扶養要件を示す書面等、改めて、健康保険組合が求める必要書類を、提出しなければなりません。

② 国民健康保険

任意継続被保険者制度がない場合や、退職後すぐに国民健康保険に乗り換える場合は、退職後の手続きとなります。
退職後、健康保険組合の「資格喪失通知書」が送付されてくるので、それを持って市役所の窓口に行けば、その場で国民健康保険証を発行してもらえます(保険料は次の6月に請求されてきます)。

「資格喪失通知書」までの空白期間は、医療機関で切り替え中の事情説明をすればいい、との話でしたが、本当にそれで通じるのか、それとも10割負担になるのか、事案が発生しなかったので本当のところはわかりません。

繰り返しになりますが、退職直後の1年は、会社の折半負担と「被保険者」の扱いがなくなることで、驚くほど保険料が増えます

(2)国民年金への変更手続(再就職しない場合)

退職により、本人は、厚生年金(国民年金の第2号被保険者)から国民年金の第1号被保険者に変わります。
同時に、配偶者(専業主婦等の場合)は、国民年金の、第3号被保険者から第1号被保険者に変わります。

つまり、夫婦については、2人の国民年金第1号被保険者となります。

第3号被保険者では、保険料の支払いは求められなかったので、これからは、2人分の第1号被保険者としての保険料を、自分で支払うこととなります。
おまけに、会社の折半負担もなくなるので、やはり支払いはかなり増えます(といっても、もともと厚生年金ほどは支払わないので、額面は、夫婦2人ならそれほどは変わりません)。

このとき、配偶者が専業主婦である場合などでは、「国民年金の退職(失業)による特例免除」が申請可能です(窓口では教えてくれない可能性もあるので、あらかじめ知っておきましょう)。

(3)失業手当(雇用保険の基本手当)

「離職票」が届いたら(再就職しないなら)、ハローワークに出向きましょう。

退職日から何日以内に出頭、という期限はないので、海外旅行から帰ってきてからでも十分間に合います。
ただ、基本手当の支給開始が遅れるだけです。

しかし、注意すべきは、基本手当の給付は離職日翌日から1年以内で終了するため、所定給付日数をその期間内で消化できないと、もらえない基本手当が生じてしまいます。

なお、「定年扱い」退職では、3か月の給付制限期間がなく、待機期間を終われば給付が始まるので、有利です。

あらかじめ、退職後の収支・キャッシュフローを考え、基本手当の給付開始をいつにするか計画しておきましょう(最初の振込は、申請から1か月以上かかることも含んでおくべきです)。




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