夏休み子ども科学電話相談

家に居ることが多くなった私の、今年の夏の楽しみのひとつが、NHKラジオの「夏休み子ども科学電話相談」です。

昔は、TBSラジオの「こども電話相談室」もよく聞いていました。
独特のジングルと、レギュラー回答者の一人である「無着成恭」氏の、名前の響きが特に印象に残っているのですが、番組がいつの間にか終わっていたため、今、同類の番組は、夏休み限定の「子ども科学電話相談」しかありません。

理科系出身でもある私は、子供の頃から、科学的な疑問を人より抱いていました。
今と違って、インターネットで簡単に検索することはできない時代でしたので、家にある百科事典や図書館の専門書を紐解いたりして、時間と労力をかけた後に、ようやく一つの「答」(一識者の見解)にたどり着くことができたものです。

それに比べて、今では、ネット端末があれば、いつでもどこでも、簡単にいくつもの「答」(複数識者の複数見解)を手に入れて、それらを比較検討することもできます。

科学的情報の入手に関しては、実に、高度かつ機会平等な社会になったものです。

そんな今でも、子ども科学電話相談は、貴重な番組です。

番組を聴いていると、素朴な科学的な疑問を抱く姿勢は、今の子供たちも昔と全然変わっていません。

まさに、いつの時代も、子供たちには「知的好奇心」が溢れています。

しかし、もし同じ質問をお父さんがされたとして、運良くネットで「答」を見つけたとしても、子供たちが理解できるように説明することができるでしょうか?

おそらく、NOでしょう。

ここで、名だたる先生たちの「翻訳力」が、本領発揮するのです。

先生たちは、子供たちに、実に上手に、かつわかりやすく、時には例え話に置き換えて、時には質問者の心情にも訴えたりもして、子供たちのプライドを傷つけることなく、彼ら/彼女らの知的好奇心を満たしていきます。

時に、子供たちからは予想もしない変化球の2次質問があったりしますが、百戦錬磨の先生方はそれにも素晴らしい反射神経を発揮して、その瞬時の駆け引きの連続が実に面白いのです。

すでにネットにはありとあらゆる情報が溢れていて、それらを誰でもすぐに手に入れられると思いがちですが、本当に、それを自分に取り入れたり、誰かに伝えるときには、その人その人なりの、時には自身の体験にもとづく「翻訳力」がものを言って、単なる情報を、生きた知識や知恵にできるか否かを決めるのだと感じています。




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