徹底シミュレーション①:早期退職の得失(経済面)

早期退職を決断するまでには、数ヶ月前、本当にあれこれ悩みました。

その際、私は、自分が誤った判断をしていないか検証すべく、考えうる全ての観点からの「早期退職の得失」を、自分なりに徹底的にシミュレーションしてみました。
数字系も、老後を含む今後の各年についてExcelで試算したり、自分自身の考えをロジカルに整理できるよう、PowerPointでビジュアル化したりもしてみました。

まずは、私なりの経済面のシミュレーションから始めました。

もし早期退職をせず、定年まで勤め上げていたとしたら手に入っていた収入との差分を計算してみました(60歳まで/もともと、雇用延長は望んでいなかったので、それ以降の収入は見込みませんでした。):

<早期退職によって喪失するもの>

(1)直接的収入

定年までの毎年の「給与・賞与と退職金」

給与・賞与は、ここ数年、人事制度と業績の変動で変動が大きく、この後の増加も見込めなかったので、直近3年の平均値を、60歳までの残存年数で掛けて求めました。
退職金は、企業年金基金が数年前に解散しており、社内イントラネットで確定給付分の退職金のみ計算できたのでその額、その後に確定拠出年金となった分(持ち出し可能)は運用金融期間からの通知書で計算しました。

(2)間接的収入

社会保険料の企業負担分:
・健康・介護保険料の半分(「扶養者」だった家族等の保険料も)
・雇用保険の全額(個人事業主になれば保険適用外)
厚生年金(3号配偶者の年金保険料も)

サラリーマンの見えない所得として、よく言われるのが、これらのものです。
個人事業主となったら、サラリーマンの現役時の1.5倍稼げなどと言う人も居ますが、個人事業主になると、年金保険料や健康保険料の支払額も少なくなったり、業務で必要となる限り経費を計上して収入から差し引くこともできるので、必ずしもそのようなことにはなりません。
同じ収入なら、サラリーマン時代に比べ、税金の支払いも少なくなっているようです。
もちろん、将来の年金受給額が大きく変わるので、それをもって1.5倍と考えた方が良いのかもしれません。

(3)企業毎の社内福利厚生

ここ数年間で、日本企業で一番削減されてきた部分だと思います。
企業のスケールメリットを生かした貯蓄制度や生命保険等を、社員は少なからず利用していると思います。
退職にあたり、それらを解約・退会したり、今後の利益を失うことの喪失額を算出することができます。
細かいところでは、保養施設の利用や各種割引サービスなども含み得るでしょう。

(4)通勤定期券と定期健康診断社員食堂など

在職中は、意外に気づかないかないのですが、辞めた後、個人として当然ながら自腹で払うことになると、結構な恩恵を受けていたことを痛感します。

通勤定期だけでも、私用外出の交通費を随分節約できていた訳ですし、社員食堂では昼食代がかなり浮いていたのです。
健康診断も忘れずに会社内で定期的に行ってくれ、費用も健康保険組合が負担してくれていました。

また、地震等の災害時にも、全国規模の会社などでは、社内互助のしくみが働いて、遠方から思わぬ援助を受けることなどもあります。

まさに、日本企業の家族的側面が、普段は目に見えないライフラインでもあったことを確認できました。

そして、以上の喪失見込み額と、早期退職にあたり付加的に得られる収入、すなわち割増退職金や今後の企業年金などの収支が、最終的な喪失見込み額とみなすことができます。

さらに、今後備えておくべき「将来の支出」も考慮しておく

(1)今後の基本生活費(定年までの期間+空白期間:60歳〜原則65歳)
・子供たちの独立までの生活シーンに応じ、生活のためだけの支出を段階的に算出しました
・海外旅行等、趣味やレジャーの費用も見積もっておきます

(2)子どもの教育費と、残存する住宅ローン・その他借金返済
・次に、これらを、「負債」として加えました。

(3)租税公課や保険料等
・社会保険料(健康・介護保険料)や、増える妻の国民年金保険料
・所得税・住民税(収入による)

(4)家族関係
・子供への援助(結婚・出産関連・住居購入・孫の教育費など)
そこまで考える必要はないかも知れませんが、「生前贈与」として捉えることもできます
・親の介護や施設入居費用、里帰り費用
・冠婚葬祭と葬式費用(自分を含む)

(5)想定外の支出(前触れなく発生するもの)
・家の修繕(壁・屋根の塗り替え等)や電化製品・湯沸器等の買替
人間だけでなく、家や設備も老朽化しますので、メンテナンスの費用を見積もっておくべきです

以上の全ての項目を可能なかぎり数値化した後、退職時の手取り収入含むこれまでの貯蓄等の全資産から、今後、65歳の年金給付までの毎年の目減りをグラフ化し、さらにそれ以降の年金給付予定額や満期保険金などの収入も見積もって、当面(年金給付年齢までに)、少なくともどれだけ稼ぎ続けないといけないのかを明らかにします。
そしてその収入をいかに実現するか、あるいは生活をどう切り詰めていくかについて、具体的な手段を明確にできるまで、徹底的に考え抜かなければなりません。

この段階で手を抜いてしまって、最終的に勢いで辞めてしまうと、退職後に絶対後悔することになります。

「幸せな早期退職」とするための最終判断は、この段階での徹底シミュレーションから始まるのです。




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