年金の「損益分岐点」

日本の年金制度は、現役世代が支払った年金保険料をあたかも「仕送り」のように、高齢者(または遺族や障害者)の年金給付に充てるという「賦課方式」にもとづくものです。
ゆめゆめ、民間の年金保険のように、自分自身の老後のために「積み立て(掛け)」ているものではありません(そう表現する人が多いですが)。

それでも、誰もが、少なくとも自分が支払った額くらいは、将来貰いたいものです。

では一体、いくつまで生きていれば、支払ったお金(年金保険料)の元が取れるのか、国民年金の「損益分岐点」は、どこにあるのでしょうか。

この度、年金制度改革により、受給資格期間が25年から10年に短縮された一方で、保険料は毎年上がり、年金給付開始年齢も先延ばしが見込まれるなど、後出しジャンケンのようなルール改正ばかりで、細かく計算したところで机上の空論・皮算用にすぎなのですが、大雑把に計算してみても、「損益分岐点」は簡単に分かります:

20歳から60歳の40年満額納付したとして、繰り上げ受給も繰り下げ受給なしとすれば:

(国民年金保険料:約20万/年 × 40年)/(国民年金給付額:約80万/年)
≒ <10年>

そう、意外にも(?)【10年で元が取れる】のです。
これは満額としなくても、1年毎の年金納付額は、将来の10年間の給付でリターンされるということです。

昭和35年4月以降が誕生日の男性(女は+5年)の場合、現行(2017年8月)、年金給付開始年齢が65歳なので、75歳まで生きていれば元が取れます

平均寿命の約80歳(小数点以下割愛)まで生きれば、約5年分「得」をします
女性の平均寿命はそこに+約7年なので、女性は、さらに約7年分「得」をします

加えて、国民年金は終身給付ですし(死ぬまで貰えて、生きれば生きるほどお得)、年金給付額は「物価スライド」のためインフレに強く、国が後ろ盾なのでたとえ財源の問題があろうが破綻しない(であろう)ため、民間保険会社の有期給付の個人年金なんかよりも、よっぽどリターンが大きくて確実な制度(優良投資先)と言えます。

意外に見落としがちですが、国民年金制度には、障害年金遺族年金も用意されているので、自分や家族の万一のリスクに備えて(まだ若いからと言って)、「無年金」だけは、絶対に選択すべきでないことは確かです。

もちろん、今後の保険料や給付開始年齢等の変更により、世代間の得失が大きく違ってくると、国民年金の価値判断は、個人の年齢や立場ごとに大きく変わっていくでしょう。

付加年金のすすめ>

もっとお得な制度が「付加年金」です。
第1号被保険者であれば、国民年金に加えて、迷わず入っておくべきです。

毎月400円の付加保険料を支払っておくと、老後の毎月の年金給付額が200円増えます。
すなわち、たった2年で元が取れてしまい、3年目からはまるまるお得となるため、仮に40年間「付加年金」を納付し続けたとすると、3年目から死ぬまでは、毎年96000円「まる儲け(?)」し続けるということになります。




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