早期退職の定義

最近の日本では、昔の超優良企業が大規模な「希望退職・早期退職優遇」を実施する、といったニュースには、とりわけ驚きもしなくなってきました。
また、世間一般でも、自分は40代で早期退職して海外に住むんだ、などと、「早期退職」という言葉がたびたび使われています。

私は、自分の早期退職検討に先立ち、改めて、「早期退職」のオフィシャルな定義は何なのか、調べてみたことがあります。

ネットで色々見てみたところ、おおよそ、以下の定義にまとまりました:

・退職金の優遇や割増等を条件に、人員削減(リストラ)の一環として、本来の定年前に退職を促す人事制度
・一定年齢以上の従業員を対象に、常時行われるもの(離職理由は「自己都合」が一般的)と、業績悪化等にともない臨時に行われるもの(「希望退職」の募集であり、退職勧奨や整理解雇の前段階である場合も、離職理由は「会社都合」が一般的)がある

すなわち、本来終身雇用で採用されたにもかかわらず、早く辞めてあげることへの「見返り」として何らかの人事的優遇措置がある場合の、60歳未満での自発的退職と言うことができると思います。

他方、世間一般で「早期退職」と言う場合、ただ単に60歳定年よりずっと前に、あるいはあらかじめ自分で定めておいた一定の年齢で、「自分の選択として計画的に辞める」ことを言うような、話し手の意思表示として使われるケースが多い気がします。

それはそれで、広義の「早期退職」として成り立つ表現だと思えますし、アメリカの「リタイアメント」(アメリカは法律上、日本の定年にあたる企業が決める年齢制限は不可で、原則、退職時期は自分で決める)にあたる表現として、十分使える定義だとも思います。

私が実践した早期退職は、前者の、本来の狭義の(?)「早期退職」でした。

以前の会社の早期退職制度は、今から10年以上前に、企業業績の大幅な悪化に伴って、臨時かつ初めての早期退職制度として衝撃的に登場したものですが、その後、段階的に繰り返されていく中で、今では「将来の選択肢のひとつ」として、人事制度に当たり前のように組み込まれてしまいました。

それゆえ、20代社員ですら、入社時から、それを前提に将来を見越して生活設計できるまでに、高度に練り上げられて(?)いました。
名目上は終身雇用でありながら、今や、早期退職は、人事制度として精緻に整備されたメニューのひとつであり、会社側にとって、特に中高年従業員に対しては、非常にウェルカムな選択肢として扱われています。

早期退職制度の登場までは、従業員の誰もが定年まで働くことを疑わず、人生を共に過ごしていく価値すらあると信じていた私の前の勤務先でしたが、一度、早期退職が根付いた後は、あらゆる人事福祉制度がなし崩し的にレベルダウンしていき、給料や昇進も劇的に変化していきました。

以前は、めったに聞かなかった定年前の自発的退職も、今や、社内イントラネットの、月例人事異動ニュース上の一部の情報としかならず、現場の実情として、有能な若手社員ほど、以前よりも有利な条件で他社に流出していけるという、新しい「悪循環」が生まれつつありました。

今や、企業における中高年社員の滞留は、日本企業の大きな人事課題のひとつです。

早期退職は、今はまだ従業員にとって「選択」のひとつに過ぎませんが、いずれ労働基準法の解雇制限にメスが入れば、今後はますます「必然」に進化していくのではと考えています。




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