相続税、人ごとにあらず

「相続」なんて、これまで、どこかの「親が金持ちな家」だけの話としか感じられず、下町庶民家系出身のいちサラリーマンだった自分には、全く無縁な話だと思っていました。

大人になるまで一戸建(それも破格の中古)に住んだこともなかった私の場合、夫婦双方のどちらの実家からも、これまでに一銭の贈与も相続もなかったし(むしろ援助)、なけなしの不動産もそれぞれの親が食い潰したし、資産と言えば、バブル時の負債の清算からスタートして、独力でコツコツ稼いで運用もした結果、どうにか蓄えることができた分の財産だけです。

相続税なんて、いいとこに生まれた、不労所得のある奴らからだけ取ってくれと、強く思っていました。

それが、平成27年の相続税法の改正により、様相が大きく変わったのです。

相続税の「基礎控除額」が、5000万 +(1000万 × 法定相続人の数)から、3000万 +(600万 × 法定相続人の数)に変わったことで、例えば、妻+子ども2人の家庭の場合、5000万 +(1000万 ×3)=8000万から、3000万 +(600万 × 3)=4800万と、相続財産に対する非課税分が、実に4割減となってしまったのです。

これによって、相続税の課税対象者が、4%台から8%(不動産の高い東京では12%)台となったとのデータもあるようですが、サラリーマンについて言えば、もう少し多いのではないかと感じています。

このことは、改正直後に早期退職した私にとって、相続税が決して人ごとではなくなるインパクトがありました。

もちろん、割増退職金を上乗せした退職金の一時金分だけでは、そのような額にはなりません。
ところが、早期退職にあたり、下の子の大学卒業までは、有事に備えた「相当額」の掛け捨て生命保険契約を継続していたので、死亡保険金は、「500万×法定相続人数」の非課税枠を超えていました。
おまけに、バブルのトラウマ(身にしみた教訓)から、リーズナブルだった中古一戸建を、住宅ローンを組まずに購入していたので、資産から差し引けるまとまった借金もありませんでした。

その結果、相続税の非課税枠を超える生命保険料、ささやかな中古一戸建の査定額と、退職金受け取りにより一時的に膨らんだ貯蓄等の総計が、以前なら遠く及ばなかったはずの、改正後の相続税の基礎控除額を、いくらか超える見込みとなってしまいました。

もちろん、貯蓄は、早期退職直後という事情だけで、たまたま「一時的に」膨らんでいるだけに過ぎません。
それゆえ、少なくとも今のフリーランス仕事がうまく回るまでは、当面の生活費等で一方的に目減りを続けていくだけなので、早晩、現有資産も新たな相続税の基礎控除額を下回るのは明白です。

それでも、それまでのわずかな期間に万一の場合が起これば、その時には相続税がかかるということが分かりました。
まあ、相続税といっても、配偶者にはなく(配偶者の控除枠は大きいので)、子どもたちだけに数十万レベルの金額と思われますが、それでも、節税観点から何かできないものかと検討を始めました(今はまだ、早期退職後の退職金を安全運用中なので、それが終わったら実践するつもりです)。

今のところ、相続税が発生するだろう子どもたちへの「生前贈与」が一番手っ取り早いかと考え、相続税の法改正以降に登場した信託銀行の生存贈与商品(生前贈与契約として認められているらしい)に預ける方向で検討中ですが、その実際については、いずれまた、ブログでご紹介できればと考えています。




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